データ集計・分析
収集された調査データをデータ入力からデータ集計まで一括で承ります。単純集計やクロス集計といった基本的な集計から、因子分析等の多変量解析手法まで、対応いたします。
商品・製品やサービスに対する生活者・消費者の反応を調査する手法として、アンケートなどが用いられる場合があります。アンケート調査は、定量的なデータを集めるには適した方法ですが、定性的な深い意見を収集するのは容易ではありません。
会場調査(CLT)の場合は、実際に商品・製品を試用していただき、その場でアンケート回答をするのが基本ですが、必要に応じて定性調査データを集めることも可能です。
本記事では、会場調査(CLT)の調査手法や目的、活用方法、メリット、注意点について解説します。会場調査(CLT)の具体的な進め方や成功させるポイントもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【本記事のおすすめ対象者】
すでに会場調査(CLT)の導入をご検討の企業様は、下記のサービスページをご覧ください。
会場調査(CLT)とは、会場を用意して調査対象者(モニター)を集め、アンケートやインタビューを現地で行う調査手法のことです。「Central Location Test」の頭文字を取ってCLTと呼ばれることもあります。会場調査(CLT)の調査手法、目的、活用方法を整理しておきましょう。
会場調査(CLT)を実施する際には、調査を実施する会場を手配して調査員を配備します。会場に集めた調査対象者(モニター)に商品・製品やサービスを実際に試用してもらい、感想などの回答を求めるのが基本的な進め方です。調査はアンケート用紙を配布して行うこともあれば、調査員が直接インタビューを行い、詳細をヒアリングすることもあります。
会場調査の特長は、調査対象者(モニター)に対して、実際の商品・製品などの現物を提示することができ、試食・試飲・試用など、実際に対象商品・製品を手に取ってもらい、その反応をその場でダイレクトかつスピーディーに聴取することができるという点です。調査対象者(モニター)の様子が見える状態で調査が実施されるため、回答を得た経緯も含めて調査結果を収集できます。
会場調査(CLT)は、会場に訪れた調査対象者(モニター)限定で実施されます。調査内容が外部に漏洩しにくいことから、発売前商品・製品や試作段階のサービスなど、機密性の高い調査に活用されるケースが少なくありません。
また、会場で調査対象者(モニター)から直接感想を聞くことで、定性的なデータ収集も可能なことから、ユーザーのリアルな声を収集したい場合にも会場調査(CLT)が行われます。
調査対象者(モニター)から得た感想に気になる点があれば、より深掘りしてヒアリングすることもできるということです。このように、一般的なアンケート調査では困難な機密性の保持や詳細な調査結果の収集を実現することが、会場調査(CLT)を実施する主な目的と言えます。
会場調査(CLT)には、様々な活用方法があります。会場調査(CLT)でよく見られる活用例は以下の通りです。
試飲・試食調査に代表されるように、実際に体感・体験しなければ感想を述べにくい性質の商品・製品の場合は、会場調査(CLT)は有効な調査手法と言えます。
また、商品・製品パッケージや陳列方法など、見た目の印象が重要な位置を占める調査においては、実物を見てもらったほうが確実性の高い調査結果が得られるでしょう。生活者・消費者が店頭・売場で製品を手に取った場面を再現したり、実際の利用シーンを想定したりする必要がある場合に、会場調査(CLT)が活用される傾向があります。
アンケート調査のみの場合と比べると、会場調査(CLT)の方が手間や時間、コストがかかるのは明らかです。しかしながら、あえて会場調査(CLT)を選択するケースがあるのは、他の調査手法では得られないメリットがあるからです。会場調査(CLT)の主なメリットです。
それでは詳しく解説していきます。
会場調査(CLT)は、調査実施会場内でのみ行われるため、情報の機密性が担保できる点が大きなメリットです。試作段階の商品・製品やサービスなど、リリース前に外部流出を避けたい商品・製品やサービスの調査に適しています。
リリース前の商品・製品やサービスに関する広告のように、商品・製品やサービスの存在自体を伏せておきたい場合の調査にも活用できるのです。
機密性を保持できる大きな要因として、調査員の存在が挙げられます。会場には専門の調査員が配置されるため、管理が行き届いた環境下での調査の実施がが可能です。商品・製品の不正な持ち出しや写真撮影など、外部流出につながるリスクを回避できることは会場調査(CLT)ならではのメリットと言えます。
調査対象者(モニター)が試用する際の環境や条件を統一できることも会場調査(CLT)のメリットです。たとえば試食や試飲の場合、提供される飲食物の温度が商品の評価に大きく影響することが想定されます。同じ条件で試食ができる環境を整えることで、調査結果のブレを防げるのです。
他にも、照明の具合によってパッケージや陳列棚の印象が大きく変わることは十分にあり得ます。同じ環境下で調査が行われたことが保証されているからこそ、調査対象者(モニター)の意見の違いを正しく検証することが可能です。試用条件の統一化を図る意味においても、会場調査(CLT)は有効な調査手法と言えます。
会場調査(CLT)では、調査対象者(モニター)が商品・製品を手に取った時の様子を間近で観察することができます。商品・製品を初めて見た時の反応や、商品陳列棚を目にした際の視線の動きなど、表情・行動を詳細にチェックすることができます。
調査対象者(モニター)の様子を観察するにあたり、調査員による目視のほか、アイトラッキングなどの仕組みが活用されることもあります。生活者・消費者のリアルな反応が見られることは、調査対象者(モニター)だからこそ実現できるメリットと言えます。
会場調査(CLT)は、メリットとなり得る面も多くありますが、デメリットとなり得る面も持ち合わせています。会場調査(CLT)の特性を理解し、調査対象者(モニター)の商品・製品やサービスに適しているか、生活者・消費者の意見や感想を聞くうえで有効な方法なのか慎重に判断することが大切です。
では、具体的にどういうことか解説していきます。
会場調査(CLT)で取得できるサンプル数は、インターネット調査(ネットリサーチ)や郵送調査などと比較すると、調査対象者(モニター)の人数や会場のキャパシティに制約されます。一人ひとりの調査対象者(モニター)から得た意見や感想を掘り下げられるのは会場調査のメリットですが、調査件数を重視するのであれば、ほかの調査方法を選択するほうが適切な場合もあるのです。
一定数のサンプルを取得したいからといって、調査対象者(モニター)を単純に増やせばよいというものではありません。調査対象者(モニター)が自然体で調査に協力できるからこそ、リアルな生活者・消費者の生の声を収集できるからです。調査をスムーズに進行できるよう、取得したいサンプル数と調査方法のバランスを考慮する必要があります。
他の調査手法と比べ、会場調査(CLT)を実施するには、調査の準備や運営に様々なコストや時間などがかかります。例として、下記は避けられないコストと捉えておく必要があるでしょう。
調査対象者(モニター)のリアルな生の声を収集するために必要なコストと捉えるべきか、コストの抑制を重視して別の調査手法で進めるべきか、費用対効果も踏まえて判断することが大切です。会場調査(CLT)でしか得られないデータがあるかどうかが、適した調査方法を見極めるポイントです。
会場という日常生活とは異なる一定の環境下かつ限られた時間での調査となるため、生活者・消費者の日常的な利用実態と一部乖離する可能性もございます(調理方法や利用方法など)。より日常で実際に使われているシーンを再現し、深堀して把握されたい場合は、サンプル品を調査対象者(モニター)の自宅へ送付するHUT(Home Use Test)やオンラインでのインタビュー等のほうが適している場合もあります。
会場調査(CLT)の実施方法について、主に調査目的の設定からレポートの作成までの流れについて説明します。
ここからSTEPごとに詳しく解説していきます。
成功する会場調査(CLT)には、まず明確な目的が必要になります。調査で欲しい情報をはっきりとさせ、そのデータがどのように役立つのかを考えるのが始まりです。
ターゲットとなる情報やそれがどのように活用されるかを細かく設計することで、調査計画の立案もスムーズに進むでしょう。また、目的が明確にあれば、無駄な時間を削減し、効率良く情報を集めることが可能です。
調査目的を明確にしたら次に進むのが調査計画の立案です。調査の目的に適した方法を選び、調査する情報の範囲を設定し、調査を実施する期間や頻度を決めるのが重要です。
また、情報収集の具体的な作業手順や、調査から得たデータをどのように管理・整理するかといったプロセスも必要となります。これらを全て計画に落とし込むことで、具体的な行動指針が形成され、調査をスムーズに遂行することが可能になります。
会場調査(CLT)を実施するには、調査対象者(モニター)を集める必要があります。調査対象者(モニター)をリクルーティングする方法は、一般的に次の2つです。
事前準備が不要で調査を実施できる点はストリートキャッチのメリットではありますが、求めるターゲットを必ず集められるとは限りません。より確実に調査対象者(モニター)を集めるには事前リクルートが適しているものの、リクルーティングのノウハウが必要です。そのため、事前リクルートをリサーチ会社やマーケティング会社に委託するケースも多く見られます。
試用後に感想を収集する際には、アンケートやインタビューを行います。自社の商品・製品や評価方法などによって、質問項目も多岐にわたりますので、一概には言えません。
なお、アンケートには「定量調査」と「定性調査」があります。簡単に説明すると、定量調査は「はい or いいえ」や「5段階評価」など、回答を数値で測ることができる調査です。反して、定性調査は「どのような点が“使いやすそうに見えない”と思いますか」「その点数にした理由を教えてください」といった、FA(フリーアンサー)回答を得られる調査です。
会場調査(CLT)においては、予め調査対象者(モニター)を決めずに、会場近辺の通行人を呼び入れて行う場合もあります。この場合はグループインタビューなどよりも1人2人に対する調査内容は深掘れないため、 定量的な調査にはなりますが、インターネット調査(ネットリサーチ)や郵送調査などよりは、定性的な情報を汲み取れる調査となります。
ホームユーステスト(HUT)やインターネット調査(ネットリサーチ)といった調査においては、調査員は調査対象者(モニター)の回答時間を共有できません。そのため、「良かった(=何がどう良かったのかわからない)」「飲みやすかった(=なぜ飲みやすかったのかわからない)」といった抽象的であいまいなFA(フリーアンサー)があった場合、それ以上深堀することができません。
しかし、会場調査(CLT)では、あいまいなFA(フリーアンサー)をグループインタビュー(FGI)などでその場で掘り下げて、具体的で有効な回答へと変化させることが可能です。
ここまでの準備が済んだら、実際に調査を実施します。入念に準備を行った場合でも、調査中に思わぬ事態が起こることはあり得ます。たとえトラブルに見舞われたとしても、焦らずに冷静に対応することが大切です。調査設計を念頭に置き、調査の趣旨が大きくずれないように適宜対応するとよいでしょう。
調査終了後は、アンケートの集計と分析を行い、レポートの作成を行います。集計方法としては、一つの項目に対する結果を集計する「単純集計」と、複数の項目の結果を組み合わせて集計する「クロス集計」が主です。
また、前項でふれた「FA」については、言葉での回答を数値に置き換える「アフターコーディング」という自由回答処理の段階を踏んでから、集計をします。
会場調査(CLT)のように、定性調査が主体となる調査においては、集計・分析もより専門的な知識やスキルが必要となります。リサーチ会社によっては、集計を行うだけでなく、集計ツールを提供している会社もあります。自社の調査目的において必要となる集計や分析方法について、事前に相談することをおすすめします。
会場調査(CLT)から有意な結果を得るためには、ポイントを押さえて調査を進める必要があります。会場調査(CLT)の特性を最大限に活かすためにも、次の3点を意識しましょう。
では、具体的にポイントを解説していきます。
調査対象者(モニター)の商品・製品やターゲットの居住地によって、会場に必要な要素は様々です。会場を決める際には、以下にあげる基本項目をもとに、適切なところを選びましょう。
会場選びは、会場調査(CLT)においてとても重要なプロセスですが、軽んじている企業も少なくありません。プロであるリサーチ会社に相談することをおすすめします。
調査対象者(モニター)の選定の仕方によっては、会場調査(CLT)の調査結果が実態とかけ離れたものになる恐れがあります。そもそも商品・製品やサービスに対して全く興味関心がない人や、思い入れが強過ぎて偏った回答をする可能性が高い人は、調査対象者(モニター)から事前に外しておくことをおすすめします。
調査対象者(モニター)をスクリーニングしておくことは重要ですが、あまりに絞り込み過ぎてしまうと十分な人数の調査対象者(モニター)を集められないことも想定されます。調査対象者(モニター)の条件に優先順位を行い、調査を実施するにあたり必要条件を満たす調査対象者(モニター)をできるだけ多く集められるように工夫するのがポイントが必要です。
会場調査(CLT)には、様々な注意点や押さえておくべきポイントがあります。調査ノウハウがない状態から調査を行うのは簡単ではありません。精度の高い調査結果を効率よく収集するためにも、会場調査(CLT)を委託できるリサーチ会社を活用するのが無難です。
特に調査対象者(モニター)のリクルーティングに関しては、万が一失敗すれば会場調査(CLT)の意義そのものが失われてしまいかねません。この他、上記でご紹介した会場調査(CLT)の進め方の各ステップを着実に実行するためにも、会場調査(CLT)のノウハウを保有するリサーチ会社を活用することをおすすめします。
会場調査(CLT)は、一般的なアンケート調査と比較すると、指定の会場に調査対象者(モニター)を集めてオフラインで調査を実施するため、手間や時間、コストのかかる調査方法です。しかし、統一された条件のもとで正確性の高い調査が実施できる点や、調査内容の機密性が担保できる点など、会場調査(CLT)だからこそ実現できるメリットも多々あります。
会場調査(CLT)のメリットを最大限に活かすためにも、専門のリサーチ会社に相談することをおすすめします。インパクトフィールドでは、様々な目的の会場調査(CLT)にも柔軟に対応しております。
調査設計から調査対象者(モニター)のリクルーティング、実査オペレーション、データ集計までフルサービスで対応することも可能です。会場調査(CLT)の実施をご検討中の企業様は、ぜひインパクトフィールドにお問い合わせください。
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